私的財と公共財のマトリックス(非競合性・非排除性)
財の2大性質「排除可能性」と「競合性」の組み合わせによる4分類を体験的に学びましょう。
(非競合性)
(競合性)
(排除可能性)
有料道路・高速道路
リンゴ・パン
(非排除性)
外交・国防
海洋水産資源
財をクリックして分類をチェック!
左側のマトリックス図をどれか選んでください。横軸の「競合性」と縦軸の「排除可能性」が、社会的にどのような現象を引き起こすのかを詳しく学ぶことができます。
競合性:一人が消費すると他人の消費分が減るかどうか。
公共財の供給シミュレーター:垂直加算と最適供給
「お隣同士の家の前掃除サービス(費用:5000円/回)」をテーマに、市場供給と社会的最適の違いを学びます。
限界便益の垂直加算計算(円)
限界便益の「垂直加算」と最適配分グラフ
私的財と公共財で、需要の足し算が違うのはなぜ?
リンゴ(私的財)のような財は、Aさんが食べたらBさんは食べられません。そのため、ある「価格」に対して「それぞれ何個欲しいか」を水平方向(数量の合計)に足します。
しかし、掃除サービス(公共財)は、1回行えばその場にいる全員が同時に同じ綺麗さを享受(非競合)できます。よって、ある「供給量」に対して「社会全体の合計でいくら分の価値があるか」を求めるため、垂直方向(便益の合計)に足し算します。
公共財:縦方向の合算(便益 of 全員の垂直合計)
フリーライダー(ただ乗り)って何が問題なの?
公共財は「お金を支払わない人も排除できない(非排除性)」という性質を持っています。
そのため、個人が「誰か別の人のお金で綺麗にしてもらおう」と期待し、自分からは一向に支払いの意思を示さなくなってしまいます。
結果として、誰もお金を支払おうとせず、市場メカニズムに任せると供給量が全くの「ゼロ」になり、社会に必要なサービスが提供されなくなります。
なぜ政府が強制的に税金で提供すべきなの?
自発的な市場取引では「最適供給量 q* = 2」に到達できません。
この時、社会全体として獲得できるはずだったはずの「余剰(緑の領域)」が完全に失われてしまいます。
このため、政府が税金を強制的に徴収して費用を調達し、社会的に最も望ましい量(限界便益の合計=限界費用となるポイント)を計画的に供給・整備する必要があるのです。
第10回「公共財の最適供給」まとめ
1. サミュエルソン条件(最適供給条件)
公共財の最適な供給量は、各個人の限界便益(限界代替率 MRS)の合計が、限界費用(限界技術代替率 MRT または供給価格 S)と一致する条件で決定されます。
∑ MRS = MRT(本講義の例では、DA + DB = S)
垂直に重ね合わせた合計需要曲線と供給線 S = 5000 の交点が、社会全体で純便益(緑の領域)を最大化する「最適な供給量 q* = 2」となります。
2. なぜ市場に任せると「失敗」するのか
週1回の掃除サービス(費用5000円)に対し、Aさんの最大便益は4000円、Bさんは3000円です。
個別に見ると、誰もが「費用5000円 > 自分の価値」となるため、自腹で購入しようとはしません。しかし、社会全体で見れば「4000円 + 3000円 = 7000円 > 5000円(費用)」であり、提供したほうが明らかに豊かになるのです。
このギャップを埋めるのが「政府による強制課税と公共供給」の重要な役割です。