2026年度春学期 ミクロ経済学入門 「市場の理論・余剰分析」補足資料

市場均衡から余剰・死荷重・貿易利益までを図で読む

完全競争市場の均衡、価格規制、租税負担、自由貿易と関税を、図形の面積と計算式を対応させながら確認します。

東海大学政治経済学部経済学科 担当教員:孫明超

STEP 1

需要と供給の交点から、均衡価格・取引量・余剰を読む

演習で扱った例 D = 100 - P, S = 3P を出発点に、均衡条件 D = S と余剰の三角形を同時に確認します。

市場の式を動かす

均衡価格
均衡取引量
社会的余剰
需要曲線
供給曲線
完全競争市場では、均衡価格が「取引したい人」と「供給したい人」を最も自然に一致させます。そのとき、消費者余剰と生産者余剰の合計が最大になります。
STEP 2

価格規制はなぜ死荷重を生むのか

均衡価格より低い上限価格を設定すると、需要量は増えても実際に取引できる量は供給量に制約されます。ここが価格規制の落とし穴です。

上限価格を設定する

実際の取引量
超過需要
死荷重
需要曲線
供給曲線
STEP 3

租税負担は「誰に課税するか」より「弾力性」で決まる

ラムゼイ・ルールの直感を、需要が弾力的な財と非弾力的な財で比較します。税額は同じでも、価格・取引量・税収・死荷重は変わります。

需要の形と税額を選ぶ

消費者負担
生産者負担
税収
需要曲線
供給曲線
STEP 4

自由貿易と関税:輸入量・関税収入・死荷重を分けて見る

小国の仮定では国際価格を受け入れます。国内価格より低い国際価格なら輸入が起こり、関税は輸入価格を引き上げます。

国際価格と関税を動かす

輸入量
関税収入
関税の死荷重
需要曲線
供給曲線
STEP 5

自由財とマイナス価格:価格がつく条件を判定する

講義終盤の補足は、需要供給図の読み方を広げる部分です。希少性がない財は価格がつかず、処理費用がかかる財では価格がマイナスになることもあります。

判定スコア:0 / 3
まとめ

余剰分析は「誰が得をし、何が失われたか」を面積で読む道具

完全競争市場の均衡は効率性の基準では社会的余剰を最大にします。ただし、価格規制・税・関税・市場の失敗は、取引量や分配を変えます。重要なのは、価格だけでなく、取引量、余剰、税収、死荷重を同じ図の中で対応させて読むことです。