2026年度春学期 ミクロ経済学入門 「生産者行動の理論」補足資料
生産関数 → 収穫逓減 → 費用最小化 → 利潤最大化の「つながり」をスライダーで体験しましょう。
東海大学政治経済学部経済学科 担当教員:孫明超
企業は 労働 L を投入して 生産量 Y を生産します。この関係を 生産関数 Y = F(L) と呼びます。
労働を1単位追加したとき生産量がどれだけ増えるかを表します。
MP = dF/dL = 5/√L
スライダーで L を大きくすると、接線の傾きがどんどん緩やかになることを確認しましょう。
労働1単位あたりの平均生産量を表します。
AP = F(L)/L = 10/√L
Y = 10√L の場合は常に AP = 2 × MP。原点からの直線の傾きにも注目しましょう。
L が増えるほど MP(限界生産物)が小さくなるのが 収穫逓減の法則です。このことが、企業の費用曲線の形を決めます。
収穫逓減(MP↓)があるから MC = w/MP が増加 し、総費用曲線は「S字型」に上に凸になります。これが費用曲線の形状の根本的な理由です。
企業が労働 L と資本 K の 2 つの投入物を使う場合、同じ生産量を達成する中で費用が最小になる組み合わせを選びます。
生産関数:Y = L0.5 × K0.5(コブ=ダグラス型) 利子率 r = 1(固定)
同じ生産量 Y₀ を達成できる (L, K) の組み合わせを結んだ曲線。グラフの緑の曲線です。
式:K = Y₀² / L
同じ費用 C で購入できる (L, K) の組み合わせ。グラフの青い直線。傾きは −w/r。
式:K = C/r − (w/r)×L
等産出量曲線と等費用線が接する点 E が費用最小点。
MRTS = w/r が成立します。
w を変えると E が動くことを確認!
企業の利潤:π = TR − TC = p×q − TC(q)。利潤を最大にする生産量 q* を求めます。
価格スライダーを動かして、TR 直線と TC 曲線の「開き具合(= 利潤)」が最大になる点を探してみましょう。
上の TR と TC の縦の差が利潤 π です。下のグラフで利潤関数 π(q) の形を直接確認できます。頂点(最大点)での接線の傾き = 0 → dπ/dq = p − MC = 0 → p = MC
価格競争市場では MR = P(水平線)。MC 曲線との交点が最適生産量 q* です。
各価格 P で企業が最適な q* を選んだときの利潤 π*(P) を描いたグラフです。
P スライダーを動かして、赤点がどこに移動するか確認しましょう。このモデルでは P が上がるほど π* は単調増加し、「ピーク → 下降」はありません。
収入の増加 > 費用の増加
→ もっと生産すれば利潤が増える
→ 生産量を増やすべき ▶
収入の増加 = 費用の増加
→ これ以上増やしても利潤は増えない
→ 利潤最大点 q* ★
収入の増加 < 費用の増加
→ 生産するほど利潤が減る
→ 生産量を減らすべき ◀
π(q) = p·q − TC(q) を q で微分してゼロとおく:
つまり「利潤最大化条件 P = MC」は、利潤関数の傾きがゼロになる点を求めているだけです。グラフで確認してください!